「弁護士法人あらた」から身に覚えのない督促が来た場合は?

「弁護士法人あらた」から身に覚えのない督促が来た場合は?

ある日突然、「弁護士法人あらた」という法律事務所からSMSが届く。「確認させて頂きたい事項があります。至急連絡下さい。」「受任通知を送付しました。至急、開封のうえ、ご対応をお願いします」といった内容に、身に覚えがなくても「どうしよう…」と不安になってしまう方は少なくありません。

あるいは、圧着ハガキや封書で「開封期限:○月○日」と書かれた督促状が届き、「このまま放置したら大変なことになるのでは」と焦ってしまうこともあるでしょう。

しかし、慌てる前に冷静に状況を確認することが大切です。この記事では、「弁護士法人あらた」から連絡が来た場合に、あなたがどのように対処すべきかを、具体的かつ分かりやすく解説します。

あなたが取るべき最初のステップ:送信元を正確に確認する

督促状やSMSを受け取ったら、まず以下の点を確認してください。

確認すべき項目

  1. 正式な事務所名:正確な法律事務所名を確認する
  2. 所在地:事務所の所在地が記載されているか
  3. 連絡先電話番号:記載されている電話番号が実在する事務所のものか
  4. 債権の内容:何についての請求なのか、具体的な契約内容や金額が記載されているか

身に覚えがない場合の対処法

督促内容に全く身に覚えがない場合でも、絶対に無視してはいけません。正規の督促を無視し続けると、次の段階として裁判所から支払督促や訴状が届くことになります。そうなると、あなたの財産が差し押さえられる危険性が高まります。

以下の手順で対応してください。

ステップ1:記載内容を詳細に確認する

督促状やSMSに記載されている以下の情報を確認しましょう。

  • 元の債権者(最初にお金を借りた会社):消費者金融、クレジットカード会社、携帯電話会社など
  • 契約日や利用日
  • 請求金額の内訳(元金、遅延損害金など)
  • 債権譲渡の経緯

実は、「身に覚えがない」と思っていても、以下のようなケースがあります。

よくあるパターン

  • 過去に利用していたクレジットカードの残債を忘れていた
  • 携帯電話の本体分割払いが残っていた
  • 昔の住所宛に督促状が届いていたため気づかなかった
  • 家族が契約した保証人になっていた
  • 非常に古い借金で、時効が成立している可能性がある
  • あなたの電話番号の前の持ち主に債務がある

ステップ2:本当に身に覚えがない場合は公式サイトで確認

記載内容を確認しても本当に身に覚えがない場合は、SMSやハガキに記載された電話番号にそのまま連絡するのではなく、「弁護士法人あらた」の公式サイトを検索し、そこに記載されている正規の電話番号に連絡して確認することが重要です。

なぜ公式サイトで確認する必要があるのか

悪質な詐欺の場合、実在する法律事務所の名前を騙り、別の電話番号を記載しているケースがあります。そのため、届いた督促状に記載された番号ではなく、必ず公式サイトで確認した正規の番号に連絡してください。

確認の手順

  1. インターネットで「弁護士法人あらた 公式サイト」を検索
  2. 公式サイトに記載されている電話番号を確認
  3. その番号に電話をかけ、「督促状(またはSMS)を受け取ったが、本当に貴事務所から送られたものか」と確認
  4. 債権の内容について詳しく説明を受ける

この手順を踏むことで、本物の督促なのか、あるいは詐欺なのかを確実に見分けることができます。

特に注意:電話番号の前の持ち主に債務があるケース

意外と知られていませんが、携帯電話の番号は解約後に一定期間を経て再利用されるため、あなたが現在使っている電話番号の前の持ち主に借金があった場合、その番号宛にSMSが届くことがあります。

このケースでは、あなたには全く支払い義務がありません。公式サイトで確認した正規の番号に連絡し、以下のように対応してください。

  • 「この電話番号は最近取得したもので、請求対象者とは別人です」と説明する
  • 氏名、生年月日、住所などの個人情報が一致しないことを確認してもらう
  • 今後の連絡を停止してもらうよう依頼する

この対応をすることで、誤った請求を受け続けることを防げます。

絶対にやってはいけないこと

以下の行動は、状況を悪化させる可能性があるため、絶対に避けてください。

NG行動リスト

  1. 完全に無視する:正規の督促を無視すると、裁判所からの通知に進み、最終的に財産を差し押さえられる可能性があります
  2. SMSやハガキに記載された番号にすぐ連絡する:詐欺の可能性があるため、必ず公式サイトで確認した番号に連絡してください
  3. 言われるがままに支払う:債権の内容を確認せず、時効の可能性も検討せずに支払うのは避けましょう
  4. 一人で抱え込む:専門家に相談することで、適切な解決策が見つかります

正規の督促だった場合の対処法

確認の結果、正規の法律事務所からの正当な督促だと判明した場合は、以下の対応を検討してください。

1. 時効の可能性を確認する

借金には消滅時効があり、一定期間(通常5年または10年)が経過すると、法的に支払い義務がなくなる場合があります。ただし、時効を主張するには「時効援用」という手続きが必要です。

時効援用を検討すべきケース

  • 最後に返済してから5年以上経過している
  • 債権者から督促を受けていない期間が長い
  • 裁判を起こされていない

時効援用は専門的な手続きなので、必ず弁護士に相談してください。

2. 分割払いの交渉をする

一括での支払いが困難な場合は、弁護士や債権回収会社と交渉して、分割払いにしてもらえる可能性があります。無理のない返済計画を立てることで、生活を立て直しながら債務を解決できます。

3. 専門家に相談する

複数の借金があり返済が困難な場合や、どう対応すべきか判断できない場合は、債務整理の専門家である弁護士や司法書士に相談しましょう。あなたの状況に応じた最適な解決方法を提案してもらえます。

主な相談先

相談先 連絡先 対応内容
消費生活センター(消費者ホットライン) 局番なし「188」 督促の内容確認、対処法のアドバイス
法テラス 0570-078374 法的トラブルに関する無料相談、弁護士の紹介
お近くの弁護士・司法書士 日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会のサイトで検索可能 債務整理、時効援用などの法的手続き

最後に:冷静な対応が最善の解決につながる

「弁護士法人あらた」から身に覚えのない督促が来た場合、「慌てない、無視しない、公式サイトで確認する」を徹底してください。

正規の督促であれば、適切に対応することで解決の道が開けます。時効が成立している可能性もあれば、分割払いで無理なく返済できる道もあります。また、電話番号の前の持ち主の債務であれば、その旨を伝えることで誤請求を止めることができます。いずれにしても、まずは公式サイトで確認し、専門家の力を借りることが最善の解決策です。

少しでも不安があれば、一人で悩まずに専門家を頼りましょう。あなたの状況に合った最適な解決方法が必ず見つかります。